足首に長いツルを結び、高い木の塔から身を投げる。地面に近づく直前、ツルが伸びきって落下を止める。
バンジージャンプのように見えるが、これは遊園地のアトラクションではない。バヌアツのペンテコスト島で受け継がれてきた「ナゴル」と呼ばれる伝統行事だ。
毎年おおむね4月から6月にかけて、村の人々は木材を組み上げ、高い塔を作る。参加する男性たちは足首にツルを結び、その上から飛び降りる。ツルの長さや強度の見極めは極めて重要で、現代の安全器具を使うスポーツと同じものだと考えてはいけない。
興味深いのは、これが単なる度胸試しではないことだ。ナゴルはヤムイモの収穫期と結びついた行事で、土地の実りや人々の暮らしと関係している。島の農業にとって重要な作物が、なぜか高所からの跳躍という大胆な儀式とともに祝われてきたのである。
この行事はしばしば「バンジージャンプの原型」と紹介される。しかし、伝統行事を現代の娯楽のために存在するもののように扱うのは正確ではない。村の人々にとっては、観光客が訪れるよりずっと前から受け継がれた文化の一部だ。
木の塔から飛び降りる行為は、作物の実りや共同体の行事と結びついた伝統であり、現代のバンジージャンプのような娯楽だけで説明できない。ツルの選定と塔の構造は安全に直結するため、外から見て気軽に真似できるものでもない。