雨上がりに虹を見つけたら、空の下のほうまで目で追ってみてほしい。地面に近づくほど色の帯が消え、半円のように見える。しかし、本来の虹には地面で終わる理由がない。
虹は条件がそろえば、一周した円として見える。 飛行機など高い場所から撮影された丸い虹は、光学的に特別な別物ではなく、普段見る虹の続きなのだ。

撮影・出典:DavidConstantinescu / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0(表示用に縮小)
雨粒の中で光が二度曲がる
太陽の白い光が雨粒に入ると、空気と水の境界で曲がる。水の中で後ろ側に当たった光の一部は反射し、再び粒の外へ出るときにも曲がる。
光の色によって曲がり方が少し異なるため、私たちの目には赤から紫までの帯として届く。虹は空に塗られた色ではない。雨粒から、ちょうど特定の角度で目に届いた光である。
普通の虹の赤い光は、太陽と反対方向の点を中心にした、およそ42度の円周に集まって見える。見る人の位置が変われば中心も変わるため、虹の「端」に近づいて同じ虹の終わりをつかむことはできない。
なぜ地上からは半円しか見えない?
円の下半分にある虹を見るには、その方向にも雨粒があり、光が目まで届く必要がある。地上では地面や地平線に遮られる。高い山や航空機から、雨粒が足元の方向にも広がっていれば、円全体が見える場合がある。
そして虹の見えやすさは太陽の高さにも左右される。太陽が低い朝夕ほど、虹の上部が高く見えやすい。真昼の高い太陽の下では、地上から虹を見つけにくい。
二重の虹は色の順番が逆
ときどき主虹の外側に、もう一つ淡い虹が現れる。こちらは副虹。光が雨粒の内部で一度ではなく二度反射してから出てくるため、見える角度も色の順も逆になる。
主虹の外側は赤、内側は紫。副虹はその反対だ。二つの虹の間が周囲より暗く見えることもある。
雨上がりの空を見ているつもりが、実は無数の水滴を通った光の方向を見ている。虹は見る人の位置によって決まる、一人ひとりの目のために現れる円なのである。