クラゲといえば、海の中をふわふわ漂い、潮の流れに身を任せる生き物と思うかもしれない。ところがパラオには、毎日決まった方向へ移動するクラゲが大量に暮らす湖がある。
その名はジェリーフィッシュレイク。周囲を陸に囲まれた海水湖で、金色に見えるクラゲたちが独特の暮らしをしている。
晴れた日の朝、クラゲは湖の西側から東側へ向かって泳ぎ出す。そして太陽の位置が変わると、今度は西へ向かって移動する。まるで湖全体が、太陽の動きに合わせてゆっくり呼吸しているようだ。
どうしてそんなことをするのか。クラゲの体内には、光合成を行う共生藻類が暮らしている。藻類が光を利用して作る物質は、クラゲの暮らしを支える。太陽を追う行動は、光を得るうえで意味があるのだ。
ただし、クラゲがいつでも一斉に行進するわけではない。曇った日には太陽の位置が手掛かりになりにくく、群れが湖の各所に分散することもある。水温の変化によってクラゲの数が増減することも研究されている。
ジェリーフィッシュレイクのクラゲは、人間が思うように漫然と潮に流されているわけではない。湖の中で光が得られる位置を探す行動と、体内の共生藻類の活動が結びついている。