星を見るために、街の明かりを消す。そうした取り組みを行う町や公園は世界各地にある。では、国全体で夜空の暗さを守ることにした場所があるのをご存じだろうか。
南太平洋のニウエは、2020年、国全体が国際的な「ダークスカイ・プレイス」として認められた最初の国となった。
星がよく見える理由は、単に人が少ないからだけではない。人工の明かりが空に漏れると、大気中で散乱して夜空が白っぽく明るくなる。これを光害という。都市から離れた場所でも、明かりの使い方によって星の見え方は変わる。
ニウエでは、星空の価値を守るため、屋外照明の改善などが進められた。その結果、人々が暮らす地域は「ダークスカイ・コミュニティ」、より自然な暗さを守る場所は「ダークスカイ・サンクチュアリ」として認められ、国土全体を覆う認定が実現した。
夜空は、昔から太平洋の人々にとって道しるべでもあった。遠く離れた島々を船で行き来する航海術には、星の知識が深く関わっている。星を見ることは観光だけでなく、島の歴史や文化を知ることにもつながる。
人工の明かりを減らすことは、何も見えない暗闇にするという意味ではない。必要な場所へ光を向け、空へ漏れにくくする設計によって、人々の暮らしと星空の両方を守ることができる。ニウエの認定は、そうした照明の使い方を島全体で考えた成果でもある。
星空そのものの実写写真は、DarkSky Internationalによるニウエ紹介ページでも見ることができる。