2007年3月、スイス軍の兵士約170人が、夜間の行軍中に隣国リヒテンシュタインの国境を越えてしまった。侵攻作戦ではなく、道に迷ったことによる偶然の越境だった。
兵士たちは天候の悪い中で進む方向を間違え、約2キロメートルほど隣国側へ入ったところで気づいて引き返したと報じられている。山あいの国境では、地図のように太い線が地面に描かれているわけではない。柵や標識が目立たない場所では、知らないうちに別の国へ入ってしまうことがある。
さらに興味深いのは、リヒテンシュタイン当局の反応だ。大きな被害はなく、深刻な問題にはなっていないと説明したと伝えられる。越境のことを知らなかった住民も多かったようだ。
国境を越えた兵士の数だけを聞けば、大きな軍事事件を想像するだろう。しかし実際には、隣国同士の関係や国境の地形によって、その受け止め方も違っていた。
