サントメ・プリンシペのサントメ島では、熱帯雨林の上へ、一本の岩の塔が突き出している。ピコ・カオ・グランデと呼ばれる岩山で、周囲の森から切り離されたような急な壁を持つ。山というより巨大な石柱に見えるほどだ。
この奇妙な地形は、人間が切り出したものでも、岩が天へ向かって伸び続けた結果でもない。古い火山活動でできた比較的硬い岩体が残り、周囲にあった削られやすい物質が長い時間をかけて失われたと考えられている。地形は何かが付け足されるだけでなく、周りが消えることでも生まれる。
サントメ島は火山活動によってできた島で、降水量の多い地域には濃い森林が広がる。岩壁には植物が張り付き、天候によっては雲や霧に包まれる。遠くからは細長く見えても、登攀するには急な斜面と不安定な天候に向き合わなければならない。
森の中に突然そびえる塔を眺めると、その高さだけに目が向く。しかし地質の歴史を考えるなら、岩山の周囲にかつて何があり、何が失われたのかも同じくらい重要になる。
