ギザのピラミッドを思い浮かべると、黄土色の巨大な石が段々に積まれた姿が浮かぶ。しかし建てられた当時、外から見えるのは今よりずっとなめらかな斜面だった。内部の石材の上に、白い石灰岩を磨いた化粧石が張られていたからだ。
ピラミッドの中心部分に使われた石材と、外側の表面を仕上げる石材は役割が違った。化粧石は細かく加工され、斜面にぴったり合うように置かれた。日差しを受けると白い表面が強く明るく見えたと考えられている。
では、外側の石はどこへ行ったのか。長い年月の風化や地震の影響に加え、後世には別の建物の石材として持ち去られたものもある。現在、カフラー王のピラミッドの頂上近くには化粧石の一部が残り、完成時の表面を想像する手がかりになっている。
私たちが写真で見ているピラミッドは、4500年ほど前の完成時の姿そのままではない。内部の大きな石組みが表に現れ、年月を経た姿だ。外側の白い石灰岩を思い描くと、古代の建設者たちが目指した建築の印象が変わってくる。
