動物図鑑で「キリンは1種で9亜種」と書かれているのを見たことがあるかもしれない。しかし近年の遺伝学と形態研究により、キリン属の分類は見直されている。
2025年のIUCN専門家評価
2025年8月、国際自然保護連合(IUCN)の専門家グループは、現生のキリンを4つの種に分類する評価を公表した。
- キタキリン(Giraffa camelopardalis):北部・中央・西部アフリカの限られた地域に分布。
- アミメキリン(Giraffa reticulata):東アフリカに分布し、網目状の斑紋が目立つ。
- マサイキリン(Giraffa tippelskirchi):ケニアやタンザニアなどの東アフリカに暮らす。
- ミナミキリン(Giraffa giraffa):アフリカ南部に分布する。
7つの亜種
4種の下には合計7亜種を認める分類がある。キタキリンにはコルドファン、ヌビア、ニシアフリカの3亜種。マサイキリンにはマサイとルアングワの2亜種。ミナミキリンには南アフリカとアンゴラの2亜種が含まれる。アミメキリンはこの分類では亜種に分けない。
以前「ロスチャイルドキリン」と呼ばれた集団は、現在の一部の分類ではヌビアキリンに含められる。
どうして分類が変わったのか
模様の違いだけではなく、広い地域から採取された遺伝情報や、頭蓋骨の形、生息域の分断を含めて評価する研究が進んだためだ。
分類は永久不変の正解ではない。新しい証拠によって将来も修正される可能性がある。
個体数は種類によって大きく違う
キリン保全財団の2025年推計では、4種を合わせて約14万頭。一方、キタキリンは約7000頭と少ない。キリンを一種類の動物として大まかに保護するより、地域や種ごとの状況を理解することが大切だ。