土星の小さな衛星エンケラドスは、宇宙空間へ水を噴き上げている。
エンケラドスの南極付近には『タイガーストライプ』と呼ばれる長い裂け目があり、水蒸気や氷の粒子が噴出する。探査機カッシーニは噴出物の中を通過して成分を調べ、氷の下に塩分を含む液体の海が存在する有力な証拠を得た。
噴出した氷の一部は衛星の重力を離れ、土星の広がったE環の材料になる。遠くの衛星が環へ粒子を供給するという、見た目には気づきにくい関係がある。生命は確認されていない。
小さな衛星の南極付近から噴出した水蒸気や氷の粒子の一部は、衛星の重力を振り切って土星の周囲へ広がる。こうした粒子が広いE環を補給している。
噴出物を直接調べると、厚い氷の下にある海の性質を推定できる。宇宙の彼方から氷を掘りに行かなくても、地下から飛び出してくる物質が研究の窓口になる。