解説 · 生物

犬はなぜ人の気持ちを読むのがうまい? 眉・視線・言葉の研究

犬の『かわいい困り顔』や人の指差しを読む能力を、家畜化と行動実験から考える。

更新日:2026-10-29
犬の写真。写真は本文の研究対象個体を撮影したものとは限りません。
犬のイメージ写真・本文の研究対象個体ではありません写真:Shyam prasad M nambiar / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0(表示領域に合わせてトリミング)

犬と暮らす人は、目が合っただけで何かを理解してもらえたと感じることがある。実際、犬と人間のコミュニケーションには、長い家畜化の歴史が関係していると考えられる。

犬の眉を動かす筋肉

2019年の研究は、犬が内側の眉を上げるときに使う筋肉が、調査したオオカミよりよく発達していることを報告した。

この表情は人間の『悲しそうな顔』に似ており、人が世話をしたくなる反応を引き起こしてきた可能性がある。ただし人間が意図的にその筋肉だけを選んだと証明されたわけではない。

子犬は人の指差しを読める

375頭の生後8週の子犬を調べた研究では、人が指をさした方向を利用して物を探す能力が見られた。

経験を重ねて学ぶ部分はあるが、遺伝的な違いもその能力に関係していると推定される。

視線とホルモン

2015年の研究では、犬が飼い主を見つめる時間と、犬と人それぞれのオキシトシン濃度の変化との関連が報告された。これは人間と動物の親密さを生物学的に考える手がかりになる。

『犬は人間の感情がすべて分かる』?

犬は多くの人間の手がかりを利用できるが、言葉や気持ちを人間とまったく同じように理解するという証拠ではない。犬の反応は経験、環境、個体差に左右される。

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REFERENCES

参考文献・出典

  1. Evolution of facial muscle anatomy in dogs ↗PNAS (2019)
  2. Early-emerging and highly heritable sensitivity to human communication in dogs ↗Current Biology (2021)
  3. Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds ↗Science (2015)
  4. Social Behavior of Dogs ↗Merck Veterinary Manual

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