ビーバーが木をかじる前歯の鮮やかなオレンジ色には、材料の秘密がある。
ビーバーの切歯のエナメル質には鉄が含まれ、オレンジ色がかった色をしている。鉄を含む硬い表面は、長時間木をかじる生活に適応した歯の特徴だ。前歯は生涯伸び続け、かじることで摩耗する。
さらにビーバーは、口の唇を大きな前歯の後ろ側で閉じられる。水中で枝を運ぶとき、口の中に水が入りにくい。『歯が大きい』だけでなく、水辺で木を扱うための仕組みがそろっている。
ビーバーの前歯は生涯伸び続けるが、成長した分がすべて残るわけではない。木をかじるたびに摩耗し、使うことが歯の形を保つことにも関係する。
水辺で枝を切り、運び、巣づくりや食事に利用するビーバーにとって、丈夫な歯は単なる武器ではない。口の構造まで含めた『木を扱う道具』になっている。